▲庁舎/訓練棟/事務室
『基本・規律・気力』を隊訓に
稲敷広域消防本部は茨城県の南端に位置し、龍ケ崎市、牛久市、稲敷市、阿見町、利根町、河内町、美浦村の3市3町1村によって構成され、人口は約28万4千人、総面積550k㎡に及んでいます。
総面積のうち約65%が稲敷台地と呼ばれる台地が形成され、霞ヶ浦、牛久沼等の湖沼、利根川、小貝川等の一級河川が周囲を取り囲み、殼蔵地帯が広がる地域です。
近年は首都圏中央連絡自動車道の開通に伴い、各地に工業団地の開発がおこなわれ様相変化が著しい状況に。今回うかがった阿見町は工業団地の開発が盛んな地域で、中高層の倉庫等が増加傾向にある地域です。
【阿見署ってどんなところ?】
職員56名、平均年齢33歳で指揮車1台、救助工作車Ⅱ型1台、40m級梯子車1台、化学車1台、ポンプ車1台、救急車2台、資機材搬送車1台を運用しています。「若い職員が非常に多く活気があり、非常に風通しのいい職場環境です。」と徳田消防司令。今回はそんな阿見消防署の納車されたばかりの13mブーム付多目的消防ポンプ自動車をセイバーズがリポート!!
救助工作車 | Ⅲ型 |
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シャーシ | 日野レンジャー |
全 長 | 7,500mm |
全 幅 | 2,330mm |
全 高 | 3,100mm |
ホイールベース | 3,790mm |
最小回転半径 | --m |
車両総重量 | 13,000kg |
乗車定員 | 6名 |
規格地上高 | 約13.7m |
最大作業半径 | 8.4m |
最低地上高 | 約-2.0m |
第1搭起状装置 | 0°~80° |
第2搭起状装置 | 0°~155° |
搭送水配管 | 伸縮式アルミ製配管 |
配備年月日 | 令和4年10月28日 |
艤装メーカー | 株式会社モリタ |
署で力を入れている活動や訓練はありますか?
当署特別救助隊は「基本・規律・気力」を隊訓に掲げ、火災対応や交通救助、震災救助、BC災害等、多岐にわたる内容を年間計画で定め、月間訓練において各項目詳細な訓練を実施しあらゆる災害に備えています。
▼画面をタップしてください。
※音楽が流れます。
車両紹介
▲フロントデザイン
▲バックデザイン
▲車体左サイド
▲車体右サイド
▲【左】収納部分
▲【右】収納部分
▲ルーフデザイン
バスケットから見た景色
◀オフスイッチ
オフスイッチにすることで消費電力を抑えることができる。
◀アドバンスモニター
障害物との距離感をキャッチしたり、住宅街などで周囲の歩行者に危険が及ばないように、360度見渡せるアドバンスモニターとカメラを運転席に搭載。必須アイテム。
◀取手ライト
車両後方部の取手箇所にライトを設置。瞬時に安全に取手を掴めるように視認性をアップし工夫した。また、足元灯と連動している。
▲呼吸器ホルダー
後部座席に設置された呼吸器クイックホルダー。今までは通常の取手長さを採用していたが、署用に長さを変更し約倍の長さにした。それにより装着時に取手を掴みやすくなり、時間の短縮へと繋がった。
▲キャビンライト
夜間の安全性を考慮し、室内のスイッチでライトをオレンジと白に切り替え可能にした。
▲40m級梯子車が廃車へ
平成8年に納車され、26年間活躍してきた40m級梯子車が今回廃車となった。
バスケットに「AMI」の文字を掲げたこの車両にはたくさんの思い出が詰まっている。
「この梯子車は子供たちに大人気で消防署の主役でした。災害出動では消火、救助活動に活躍してくれました。26年間という長期にわたり、お疲れ様でした。」と警防課の徳田消防司令。
▲救急自動車
▲取材した阿見町内の中高層建築物の約70%が3階から5階建のため、その高さに合わせた13m。
今までに、特に印象に残った救出活動などはありますか?
『令和4年6月に発生した、冷蔵・冷凍(ラック式:最高高さ約30m)倉庫火災です。』
この火災は当消防本部で保有している梯子車3台含む消防車両54台、人員252名、隣接消防本部の消防車両5台、人員26名(全て実働)、他関係機関の協力を得て発生から鎮火までに約6日間を要した火災でした。
このような消火に長期間に及ぶ火災は稲敷管内では過去に例がなく、稲敷広域全勢力を上げ対応しました。活動初期は倉庫屋根の一部から煙が出ている状況であり、何処からどの様に燃えているという状況把握が難しくまた、消火活動も開口部がないため放水作業に困難を極める状況でした。
状況把握に活躍したのが「ドローン」でした。ドローンには熱画像装置があり、上空からの撮影を行い熱を感知した箇所を確認することが容易で、その後の消火活動に活かすことができました。消火活動は重機を所有した民間業者を依頼し、外壁破壊と消火活動を並行しながら行いました。応援協定を結んでいる隣接の消防本部へ応援要請、活動協力をしていただき、継続的な破壊と消火を繰り返すことで鎮火に至らしめることができました。
この6日間日中の気温が30度以上で、昼夜を通しての活動であったため隊員は疲労で集中力を欠く状況でもありましたが、気力、そして何よりチームワークにより怪我無く無事に活動を終えることができました。この長期の活動において感じたことは、稲敷広域消防本部だけでは消火できなかったということです。近隣の消防本部や民間業者の協力があり、「安全な消火」というテーマを掲げ一つの目標に向かい消火に至らしめることができたと感じております。
『これからも、いかなる災害が発生しても、有効かつ効果的な活動が出来るよう全隊員が知識・技術の統一を図り、継続して市民の信頼に応えていきたいです。』と徳田消防司令。
▼今回お話を伺ったのはこの人
上から順に
警防課
徳田 裕一さん
(とくだ ゆういち)
消防司令補
舘 大祐さん
(たち だいすけ)
消防士長
大野 卓也さん
(おおの たくや)
消防副士長
吉見 一成さん
(よしみ いっせい)
消防士
佐藤 大虎さん
(さとう だいご)