▲庁舎
2011年の東日本大震災により県内も被害を受けたが、庁舎もまた崩壊の被害を受けた。庁舎は新しく建て替えられたが、あの時を忘れてはいけない。
▲東日本大震災被災伝承の碑
東日本大震災時に望楼が倒壊し庁舎に落下。幸い負傷者はいなかった。
市の6割が山林
水難・林野火災どちらにも強い車を。
茨城県常陸大宮市消防本部は平均年齢34歳。積極的な隊員が多く、発言もしやすい環境づくりが署の活発化に繋がっている。管轄地域は、常陸大宮市全域(348.45㎡)。潜水隊が現場に到着するまでの所要時間は最長で約20分ほど。林野火災の現場においては最長40分を要する程の広さだ。その為車体への資機材の乗せ降ろしはスムーズでなければならない。前回の車体は一般的なトラックだったので、今回はユニックとパワーリフトを搭載。構想期間約1年、平成7年に発足された常陸大宮市消防本部潜水隊の資機材搬送車をセイバーズがレポート!!(カタログVOL.49掲載)
【どんなところ?】
平成16年10月に大宮町、山方町、美和村、緒川村、御前山村の5ヶ町村が合併して誕生した新しい市。茨城県の北西部、県都水戸市から20kmの八溝山地及び阿武隈山地の南端と関東平野周辺台地北端部の境界部に位置し、東に久慈川、中央部に緒川・玉川、南に那珂川が流れ、市の6割を山林が占めている。
【令和元年度の出動回数】
火災21件、救急1895件、救助28件(潜水隊4件)
救助工作車 | Ⅲ型 |
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シャーシ | 日野DUTRO |
全 長 | 6,170mm |
全 幅 | 2,180mm |
全 高 | 2,730mm |
ホイールベース | 3,400mm |
最小回転半径 | 約6.30m |
車両総重量 | 6,525kg |
乗車定員 | 3名 |
総排気量 | 4,000cc |
駆動形式 | 4×4 |
ウィンチ | - |
クレーン | ユニック2.9t |
パワーゲート | 800kg |
配備年月日 | 平成29年11月 |
艤装メーカー | 日野 |
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▲撮影当日の様子
▲フロントデザイン
▲バックデザイン
▲サイドデザイン
資機材収納。林野火災時には荷台に積載するものを乗せ替える。
▲IBAP(イバップ)
通常のダイビングフラッグブイは手動での操作だったが、IBAPはリール式になっており、水底到達点まで自動降下する。ロープにはカラーリングが施され、一目で水深が判別できるタイプを採用している。手動式よりもスピード感のある捜索活動が可能になった。
▲ジャックステイ一式
▲救命胴衣
▲サーフェイスドライスーツ
▲噴霧器と延長ホース(林野火災時に使用)
田畑も多い同市では、農業を家業とする人口も多い。消火活動において、農業で使用する噴霧器とタンクがとても有効であることを発見した。ある日「これを消火活動で使用できないか?」と噴霧器を持ってきた署員がいた。試しに使用してみると、水が細かい上にタンクの容量も1000ℓと噴霧時間が長い。これは使える!と今でも現場の必須アイテムとなっている。
▲オゾン殺菌庫
コロナ対策として車庫内に設置。出動後にはすぐに感染防止衣などを入れ、殺菌するシステムにした。
▲ロッカールーム
出動しやすい導線を考慮されたロッカールーム。奥の扉の先には車庫があり、すぐに出動することが可能。
▲廊下
どこに居ても署内の様子が分かる各部屋の配置。
▲本部事務室
▲シェブロンマーキング
県内でも珍しい、シェブロンマーキングを保有する救急自動車。(常陸大宮市消防本部西消防署所有)
隊の発足後、特に記憶に残る救出活動はありましたか?
令和元年度10月の台風19号。
県内の建物被害状況は全壊292棟、半壊2,397棟、久慈川が溢水し道路が冠水。そんな中、1件の救助要請が入った。那珂川沿いに住む子どもを含む一家が逃げ遅れ、屋上で救助を待っているという内容だった。先発隊は既に現場へ到着していたが、川の流れが思ったよりも速く救助は不可能だった。
その為、軍司司令補を含む後発隊は冠水していない工業団地側から迂回してアプローチ。そこには巨大化した川の中にポツンと佇む1棟の家屋があった。川の流れを読みボートを固定することがとても困難であったが、バウタッチ方式でボートを家屋に固定し梯子を屋上にかけ全員を無事救助できた。日頃の訓練が活かされ要請からは約3時間、活動自体は1時間ほどだった。
お話を伺ったのはこの方
司令補
軍司二昭さん
消防副士長