美方広域消防本部は兵庫県の最北西部に位置し、美方郡2町(香美町、新温泉町)をもって構成し、約610㎢の広大な管轄面積を有している。また、管内は山陰海岸国立公園や中国山地等の自然に囲まれ、四季を通じて全国から海水浴、釣り、スキー、温泉などに多くの観光客が訪れる地域である。
【美方広域消防本部ってどんなところ?】
美方広域消防本部は、職員数78名と小規模な消防本部で、兼務の職員が大多数を占めている。
近年は毎年3名~5名の職員を新たに採用しており、それに伴う世代交代が著しく、知識や技術の継承に力を入れている。若手職員も高い志で、丁寧に指導に当たっている。
救助工作車 | Ⅲ型 |
---|---|
スペック | 2KG-GX2ABA |
シャーシ | 日野レンジャー |
全 長 | 7,880mm |
全 幅 | 2,310mm |
全 高 | 3,170mm |
ホイールベース | 3,790mm |
最小回転半径 | 6.5m |
車両総重量 | 10,900kg |
乗車定員 | 6名 |
総排気量 | 5,120cc |
駆動形式 | 4×4 |
ウインチ | 大橋機産(株)製 MCW555RRT(常時5t) |
クレーン | タダノ製ZX294GHRENBA(2.9t) |
配備年月日 | 令和6年2月19日 |
艤装メーカー | 株式会社モリタ |
署で力を入れている活動などはありますか?
自然豊かな地域特性により山や海での事故が多いことから、都市型ロープレスキューマニュアル「SQER(スクエア)」をいち早く導入し災害に備えている。
SQERとは、「Safety安全に・Quickness素早く・Easy簡単に・Rescue救助」をコンセプトに、その頭文字をとったものである。小規模消防本部で救助隊は常時3名乗り組みであり、兼務者も救助隊に編成されることから、シンプルなシステムとしている。難しいシステムを習得することで得られる達成感にひたり、間違った満足感に陥ってはならない。また知識の「ひきだし」を多く持つことは重要であるが、どの「ひきだし」を開くべきか、整理しておくことが重要である。SQERは全隊員が一つの目標に向かって共通認識のもと活動することを目指したものである。
また救助訓練の基本である「救助操法」にも力を入れており、毎年若手職員を対象として、消防本部内で合同訓練を実施している。救助操法を学ぶことで、基本が身に付くと共に、柔軟な発想を持った隊員の育成につながると信じている。また要救助者への声かけに重きを置いて訓練を実施しており、要救助者の気持ちに寄り添える隊員の育成を目指している。
施設紹介
車両紹介
資機(器)材紹介
今までに、特に印象に残った救出活動などはありますか?
救命索発射銃を使ったロープ展張による「SQER」に沿った対岸救助2件が印象に残っています。いずれも県内の救助技術研究会で発表した事案になります。
【1件目】
アユ釣りをしていた男性が河川の増水により対岸に取り残された事案で、救命索発射銃によりブリッジ線を展張し、救助隊員1名が進入、エバックハーネスにより救助しました。
[発生日:平成25年7月]
【2件目】
シャワークライミングをしていた21名が河川の増水により対岸に取り残された事案で、1件目と同様に救助しました。いずれも「SQER」の目的が達成され、当消防本部の取り組みが間違っていなかったことが証明された事案でした。
[発生日:令和3年8月]
▼【今回お話をうかがったのは。。。】